求人サイトだけでは人が集まりにくくなり、SNSで会社の様子を発信する「採用SNS」に取り組む会社が増えています。一方で、人事や総務の方が通常業務と並行して運用するのは大変です。
そこで考えたいのが、作業の一部を自動化することです。ただし、採用は人と人の出会いです。なんでも自動にすればよいわけではありません。
この記事では、採用SNSで自動化してよいところと、人がやるべきところを分けて、続けられる仕組みのつくり方を紹介します。
採用SNSで最初に決めること
自動化の前に、何のために発信するかを決めておきましょう。目的があいまいなまま仕組みをつくると、「投稿は続いているのに応募につながらない」ということになりがちです。
- どんな人に来てほしいか(職種、経験、人柄)
- その人が応募前に知りたいことは何か
- 自社の働き方で伝えたい魅力は何か
- SNSを見た人に、次に何をしてほしいか(採用ページを見る、説明会に申し込む など)
この4つが決まると、投稿のテーマがぶれにくくなります。自動化の仕組みにも、この内容を土台として組み込めます。
自動化してよいところ・人がやるところ
採用SNSの作業を分けると、次のようになります。
| 作業 | 自動化との相性 | ポイント |
|---|---|---|
| 投稿の予定づくり | 向いている | 月ごとのテーマを決めて表にする |
| 文章の下書き | 向いている | AIでたたき台をつくり、人が直す |
| 予約投稿 | 向いている | 確認ずみの投稿だけを予約する |
| 投稿前の確認 | 人がやる | 事実、表現、写っている人の許可 |
| コメントやメッセージへの返信 | 人がやる | 応募を考えている人との大切な接点 |
| 数字の集計 | 向いている | 毎月同じ形でまとめる |
「作る」「予約する」「集計する」は仕組みにしやすい部分です。反対に、「確認する」「相手とやりとりする」は人の役割として残しましょう。
投稿づくりを仕組みにする手順
1. テーマの年間カレンダーをつくる
採用には季節の流れがあります。新卒の募集時期、入社式、研修、繁忙期など、会社の1年の動きに合わせてテーマを並べておくと、毎月のネタに困りません。
2. 素材を集める流れを決める
社員インタビューや職場の写真は、採用SNSの大切な素材です。各部署から月に1回、写真やひとことを集める流れを決めておくと、担当者が走り回らずにすみます。
3. AIへの指示を決まった形にする
「対象者」「伝えたい魅力」「使ってよい事実」「文字数の目安」を毎回同じ形で渡すと、下書きの質が安定します。事実はこちらから渡し、AIに想像で書かせないことが大切です。
4. 確認してから予約する
下書きを人が確認し、問題がなければ予約投稿に入れます。この順番を崩さないことが、トラブルを防ぐいちばんの方法です。
採用SNSならではの注意点
採用の発信では、ふつうの広報よりも気をつけたい点があります。
- 写っている社員の許可をとる:顔や名前を出す場合は、事前に本人の了解をもらいましょう。
- 実際とちがう印象を与えない:よいところだけを大きく見せると、入社後のミスマッチにつながります。
- 募集条件はくわしく書きすぎない:給与や条件は変わることがあります。正式な内容は採用ページで案内し、SNSからはそこへ誘導するのが安全です。
- 応募者の個人情報をSNS上で扱わない:くわしいやりとりは、正式な応募窓口で行いましょう。
また、自動でフォローやいいねを増やすような方法は、SNSの規約に反するおそれがあります。会社の信用にもかかわるので使わないようにしましょう。
続けるための社内の体制
採用SNSは、人事だけでなく現場の協力があってこそ続きます。現場の社員に「投稿に協力すると採用が楽になる」と伝わると、素材も集まりやすくなります。
【現場へのお願いの例】
採用SNSで、みなさんの仕事の様子を紹介しています。月に1回、仕事中の写真を1枚と、「この仕事のここが好き」というひとことを送ってください。投稿前に必ず内容を確認してもらいます。
担当者が異動しても止まらないように、手順をメモに残しておくことも大切です。
数字だけで判断しない
採用SNSの成果は、投稿の反応の数だけではわかりません。面接に来た人に「SNSは見ましたか」「どの投稿が印象に残りましたか」と聞いてみると、役に立った投稿が見えてきます。こうした声を集計の表にひとこと書きそえておくと、次の投稿のテーマを決めるときに役立ちます。自動で集めた数字と、人が聞いた声を組み合わせて見ることが大切です。
まとめ
採用SNSの自動化は、「作る・予約する・集計する」を仕組みにして、「確認する・やりとりする」を人が担うのが基本です。
- 来てほしい人と、伝えたい魅力を先に決める
- 年間カレンダーと素材集めの流れをつくる
- AIには事実を渡し、下書きだけを任せる
- 投稿前の確認と、応募者とのやりとりは人が行う
自社で仕組みを回せる人を育てたい場合は社内向けの研修、まずは仕組みそのものを用意してほしい場合は構築代行、という進め方もあります。採用の状況に合わせて選んでください。




